ありがとうさん(水神様)

あるところに 川が 大好きな おじいさんがいました。

 

おじいさんは 川に スミをたらし 和紙に 川のもようを うつしながら 
いつも 水たちと遊んでいました。
ときには お話もしました。

 

「きみたちはどこからきたの?」
「メコン川から!」
「子どもたちは どんなふうに遊んでるの?」
「川にもぐったりするんだ。とってもよくわらうんだよ。」
「きみたちはどこからきたの?」
「タイから!タイの子どもたちは、川に飛びこむのが大好きなんだ。」

 

そんなある日 紙の中に 人のお姿が あらわれました。
おじいさんは びっくりしました。
しばらく じっとながめる日々が続き それが なにかを話しているように 感じました。

 

でも いったい何を話してくれているのか わからなかったおじいさんは みんなに 聞いてみたくなり
日本全国、世界中に、この紙にうつし出された お姿といっしょに 旅に出ました。

 

たくさんの人たちが このお姿と お話ししました。
まじめな顔をする人、わらう人、よろこぶ人、涙を流す人。

 

そして今、このお姿は 世界遺産の京都清水寺さんに おさめられています。
逢いにきた人たちが口々に「ありがとう」「ありがとう」と言うので 今では「ありがとうさん」とよばれ
逢いに来てくれる人とお話するのを 楽しみに待ってくださっています。

 

「ありがとうさん」は あなたに どんな お話をしてくださるでしょうね。

 

ゆっくりと 心の耳をかたむけながら お話してみてください。

「おじいさん」についてはこちらを御覧ください。

ありがとう巡礼の5行程を終了された方は、6行程目の満願法要のときに
「ありがとうさん」にお参りに行き、お話しする時間を清水寺さんからいただいております。